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2012年3月19日 (月曜日)

原発は倫理に反する

 ドイツでは、2002年に脱原発の方向性を決めたのに、2010年になって科学者出身のメルケル首相は原発推進へと方向転換しました。しかし、昨年の大震災後にメルケルの指示で設置された「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」(4月4日から5月28日まで設置された)での議論を踏まえ、メルケル政権は2022年にすべての原発を停止する決断を下しました。
 この「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」は18人の委員で構成されているが、原子力の専門家は入っていません。哲学者、宗教家、社会学者、教育学者、科学者などです。委員会の結論は、「原発は倫理的でない。次の世代に廃棄物を残すリスクべきではない」として、社会の持続可能性、後世代への責任の面から10年以内に脱原発を達成すべきとしています。

 「原子力エネルギーのリスクは、福島の事故によって変化したわけではない。しかし、リ
スクの受けとめ方は、言うまでもなく変化した。大事故が生じるリスクが、単に仮説的に存在していたのではなく、そのような大事故は実際にも起こり得るのだということを、より多くの人が自覚するようになった。このようにして、社会の多くの人々のリスク受けとめが、リスクの現実に適合したものになった。リスクの受けとめの変化において重要な点は、以下の通りである。
 第一に、原子力事故が、日本のようなハイテク国家において生じたという事実である。これにより、ドイツではそのようなことは起こり得ないという確信は消失した」
 そして、「原発事故の規模を発生率によって判定するという技術的なリスクの定義は、原子力エネルギーに関する評価に対しては十分ではない・・・」と断じています。
 日本での事故を我が国のこととして脱原発を決めたドイツと、事故当事国にもかかわらず再稼動をめざしている日本の倫理的な差に愕然としています。

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