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2012年4月28日 (土曜日)

原子力ムラの解体を

 今日からゴールデンウイークですが、私は、まちカフェで仕事です。

 さて、原発と活断層の関係が問題視されていますが、これは30年以上も前から指摘されていたことです。私が大学生の時のゼミの先生が、生越忠といって地質学者でした。彼は、東大出の優秀な学者でしたが、反権力の立場で大学解体論などを主張していたため、出世とは無縁な先生でした。
 生越先生は、全国の原発立地裁判で、原告側証人として電力会社と国による地質データの偽造、ねつ造を指摘していた数少ない地質学者でありました。私の書棚に「原子力発電の危険性」(技術と人間編集部編)という1976年に出版された本があります。
 その中で生越先生は、次のように書いています。「世界最大の地震国である日本では、地震発生のおそれのない場所はどこにもほとんど求められないことから、原発を地震発生のない場所に建設することは事実上不可能に近い。・・・・」とし、東京都立大学の中野尊正教授(当時)の国会での参考人陳述の内容を紹介しています。中野教授は、「危険な原発の例として、静岡県の浜岡原発、福島原発、福井県の美浜原発を挙げ、原発建設計画や建設用地の選定を再検討すべきと助言した」
 しかし、中野先生の助言や警告は無視され、劣悪な地盤の上に原発は建設されてきたというのであります。大飯原発もその中に含まれています。
 36年前に書かれたこの本を読み返すと、まさに今書かれた本かと思うほど現在の状況にマッチしていることに驚かされます。つまり、いまだに原子力を制御する技術は確立されていないということです。
 この本の中で、国学院大学の室田武先生(当時)が原発のコストに言及しています。すなわち、「通常の原子力発電所がエネルギーコストゼロで建設され、燃料もただで入手でき、何一つの事故もなく、原子炉が理想以上の状態で作動したとしても、廃棄物からの放射能漏えいを防ぎ、しかもプラスのネットエネルギーを得ることは、絶対に不可能である」
 この本には、かの高木仁三郎先生も登場してきますが、多くの良識ある学者の意見を聴くことなく進められてきた原子力行政。これをこれからも進めていくのは愚の骨頂です。
 原子力「ムラ」の解体なしには日本の未来はないと言えるでしょう。
 夏の電力不足が喧伝されていますが、原発の再稼働は電力問題ではありません。
 電力会社の経営の問題なのです。何も利潤を産み出さない原発は大いなる不良債権になってしまったのです。

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